問題

[投影変換 (Project)] ツールで地理座標系変換リストが使用できない

Last Published: January 1, 2021

説明

ArcGIS Desktop の ArcMap か ArcGIS Pro のいずれかで、[投影変換 (Project)] ツールを使用して地理座標系を変換しようとすると、[地理座標系変換] ドロップダウン リストが空白の状態で表示されます。 [投影変換 (Project)] ツール ウィンドウの [地理座標系変換] セクションの警告アイコンをクリックすると、次のエラー メッセージが表示されます。

WARNING 001839 測地基準変換が必要ですが、パラメーターが空です。」

ArcGIS Pro で

[投影変換 (Project)] ツールの [地理座標系変換] セクションの警告メッセージを示すスクリーンショット。

ArcMap の場合

[投影変換 (Project)] ツールの [地理座標系変換] セクションの警告メッセージを示すスクリーンショット。

原因

[地理座標系変換] ドロップダウン リストは、投影エンジンで生成されます。 この問題は、投影エンジンが適切な地理座標系変換を特定し、変換のドロップダウン リストを作成するために使用する基準が満たされていない場合に発生します。 詳細については、「FAQ: 投影エンジンは、使用可能な地理座標系 (測地基準系) 変換をどのように表示しますか?また、ドロップダウン リストが空白になることはあるのはなぜですか?」をご参照ください。

この問題は、以下の原因によって発生する場合があります。

  • 入力の投影法が、Esri ソフトウェアと同じ投影ファイル形式を使用しない別のソフトウェア プログラムで定義されています。 Esri では、European Petroleum Survey Group (EPSG) で公開された形式を使用しています。
  • 入力地理座標系 (GCS) と出力地理座標系間は変換できません。
  • 入力データセットまたはフィーチャクラスに、サポートされていない GCS またはカスタム GCS があります。

解決策または対処法

最初の問題を解決するには、ArcGIS Desktop で使用できる座標系を使用してデータの投影法を定義してから、[投影変換 (Project)] ツールを使用して GCS を変換します。手順は次のとおりです。

ArcGIS Pro で

注意: データ投影法は、データを投影する座標系の Esri PRJ ファイルを使用して定義する必要があります。 現在の投影法ファイルを判読できるのであれば、Notepad でファイルを開き、Esri ソフトウェアで提供される地理エリアの投影法ファイルとパラメーターを比較します。 データの座標系を特定するには、「操作手順: データの空間参照、投影法、座標系の特定」をご参照ください。
  1. ArcGIS で使用できる座標系を使用し、データの投影法を定義します。
    1. ArcGIS Pro の上部リボンで [解析] タブ → [ツール] をクリックします。
    2. [ジオプロセシング] ウィンドウで、データ管理ツール内にある [投影法の定義 (Define Projection)] を検索し、クリックします。 [投影法の定義] ウィンドウが開きます。
    3. [投影法の定義] ウィンドウで [パラメーター] をクリックします。
    4. [入力データセット、またはフィーチャクラス] で、該当のデータを選択します。
    5. [座標系] で、データセットの範囲に基づいて座標系を選択します。 詳細については、「操作手順: データの空間参照、投影法、または座標系の特定」をご参照ください。この例では、「NAD_1983_UTM_Zone_1N」が選択されています。
    6. [実行] をクリックします。
[投影法の定義 (Define Projection)] ツールとパラメーターを示すスクリーンショット。
注意: 各変換は、特定のエリアに対して策定されています。 最適な変換を選択する方法と、使用可能な変換のリストの詳細については、「操作手順: 測地基準系間の投影時の正しい地理座標系 (測地基準系) 変換の選択」をご参照ください。
  1. [投影変換 (Project)] ツールを使用し、データの地理座標系を変換します。
    1. [ジオプロセシング] ウィンドウで、データ管理ツール内にある [投影変換 (Project)] を検索し、クリックします。 [投影変換] ウィンドウが開きます。
    2. [投影変換] ウィンドウで [パラメーター] をクリックします。
    3. [入力データセット、またはフィーチャクラス] で、該当のデータを選択します。
    4. [出力データセット、またはフィーチャクラス] で、出力の名前を指定します。
    5. [出力座標系] でデータの新しい座標系を選択します。 この例で選択されている座標系は「GCS_WGS_1984」です。
    6. [地理座標系変換] セクションで、提案された変換の横にあるドロップダウン矢印をクリックして地理座標系変換リストを表示し、目的の変換を選択します。 この例では、「WGS_1984_(ITRF00)_To_NAD_1983」が選択されています。
    7. [実行] をクリックします。指定した出力座標系で、新しいデータ出力が作成されます。入力データは、元の座標系のまま残ります。
[投影変換 (Project)] ツールとパラメーターを示すスクリーンショット。
注意: [投影法の定義 (Define Projection)] ツール はデータの既存の座標系情報を更新しますが、ジオメトリは変更しません。 [投影法の定義 (Define Projection)] ツールと [投影変換 (Project)] ツールの違いについて詳しくは、「ArcGIS ブログ: 投影法の定義か投影変換か?」をご参照ください。

ArcMap の場合

  1. 前述した他のソフトウェア プログラムと同じ投影法の定義を使用し、データの投影法を定義します。
    1. ArcMap で [ArcToolbox] ArcToolbox アイコンの図を示します。 アイコンをクリックします。 [ArcToolbox] ウィンドウで [データ管理ツール][投影と変換][投影法の定義] の順にクリックします。
    2. [投影法の定義] ウィンドウで、[入力データセット、またはフィーチャクラス] の該当のデータを選択します。
    3. [座標系] で、他のソフトウェア プログラムの元の座標系に基づいて座標系を選択します。この例では、「NAD_1983_UTM_Zone_1N」が選択されています。
    4. [OK] をクリックします。
[投影法の定義 (Define Projection)] ツールとパラメーターを示すスクリーンショット。
  1. [投影変換 (Project)] ツールを使用し、データの地理座標系を変換する
    1. [ArcToolbox] ウィンドウで [データ管理ツール][投影と変換][投影変換] の順にクリックします。
    2. [投影変換] ウィンドウで、[入力データセット、またはフィーチャクラス] の該当のデータを選択します。
    3. [出力データセット、またはフィーチャクラス] で、出力のフォルダーの場所と名前を指定します。
    4. [出力座標系] でデータの新しい座標系を選択します。 この例で選択されている座標系は「GCS_WGS_1984」です。
    5. [地理座標系変換] (オプション) セクションで、ドロップダウン矢印をクリックして地理座標系変換リストを表示し、目的の変換を選択します。 この例では、「WGS_1984_(ITRF00)_To_NAD_1983」が選択されています。
    6. [OK] をクリックします。指定した出力座標系で、新しいデータ出力が作成されます。入力データは、元の座標系のまま残ります。
[投影変換 (Project)] ツールとパラメーターを示すスクリーンショット。

前述の 2 つ目の原因に対処するには、目的の入力および出力 GCS の間でサポートされている変換がないため、まず 2 つの地理座標系間で計算された変換があるかどうか調査します。「操作手順: South American Datum 1969 と SIRGAS 2000 間にカスタム変換を作成する」の手順に従って、ソフトウェアにカスタム変換を追加できることがあります。この例は、別のエリアの他の変換にも当てはめることができます。

前述の 3 つ目の原因に対処するには、入力データにカスタム GCS かサポートされていない GCS が存在するため、ArcGIS Desktop プロダクトにカスタム地理座標系を作成できます。カスタム地理座標系と標準 GCS の間で変換が計算されている場合は、ソフトウェアに追加することができます。

上記のトピックについてサポートが必要な場合は、Esri のテクニカル サポートにお問い合わせください。

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