カスタム シンボルを使用して Portal for ArcGIS を構成する

サマリー

Portal for ArcGIS Map Viewer には、大半の組織のニーズを満たす一連のデフォルトの Esri シンボル セットが付属しています。 カスタム シンボルが必要な場合、以下の手順で、カスタム シンボル セットを使用するように Map Viewer の設定を構成する方法について説明しています。

手順

カスタム シンボル セットは、グループ内のアイテムとして格納されます。 Map Viewer はグループを検索し、グループ内のシンボル セット アイテムを使用して、利用可能なセットを設定します。

1. このワークフローの前提条件を確認します。

   1. ポータルに対する管理者権限が必要です。
   2. ポータルは、ArcGIS Server サイトにフェデレートされ、ホスティング サーバーを含む必要があります。 詳細については、「Portal for ArcGIS: ArcGIS Server サイトとポータルのフェデレーション」および「Portal for ArcGIS: ホスティング サーバーの構成」をご参照ください。
   3. 組織の Web サーバーが HTTPS で構成されている必要があります。 Web サーバー上に仮想ディレクトリを作成し、そのディレクトリに対して読み取り/書き込みを行う権限が必要です。 ディレクトリは Portal for ArcGIS からアクセスできる必要があります。

2. シンボル セットを含むグループを作成します。

   1. 組織サイトの管理者として Portal for ArcGIS Web サイトにログインします。
   2. カスタム シンボルを含むグループ (例: 「Custom Symbols」) を作成します。 このグループは、Map Viewer を使用するすべてのユーザーがアクセスできる必要があります。 このグループの名前は後で必要になるため、記録しておきます。 詳細については、「Portal for ArcGIS: グループの作成」をご参照ください。
   3. 組織の管理者として ArcGIS Portal Directory にログインします。 URL は次のような形式になります。

https://webadaptor.domain.com/arcgis/sharing/rest

4. ページの右上隅にあるアカウント名をクリックします。
5. [ユーザー グループ] セクションで、上記で作成したグループの名前をクリックし、後で使用するため、グループの ID を記録しておきます。

3. シンボル セット アイテムを構成します。

   グループに追加された各シンボル セットに対して、2 つの別々のアイテムを作成する必要があります。 タイトル プロパティは両方のアイテムで同じである必要があります。 この最初のアイテムは、シンボルを値で参照するブラウザーで使用します。 2 つ目のアイテムは、シンボルを URL で参照するブラウザーで使用します。

   このセクションの手順を繰り返して、グループにカスタム シンボル セットを追加します。 タイトル プロパティを使用して、シンボル セット アイテムの各ペアを識別します。

4. 「値で参照する」アイテムを作成します。

   1. ページの右上隅にあるアカウント名をクリックします。
   2. ページの下部にある [ユーザー コンテンツ] をクリックします。
   3. [ユーザー コンテンツ] で、[アイテムの追加] をクリックします。
   4. [アイテムの追加] ページで、[タイトル] フィールドを使用してアイテムのタイトルを指定します。 このタイトルは Map Viewer で表示されます。
   5. 次の情報を以下のとおり、正確に指定します。
      • タグ:「Symbol Set」
      • タイプ キーワード:「marker, Symbol Set」
      • タイプ:「Symbol Set」
   6. このシンボル セットをデフォルトで表示する場合は、[タイプ キーワード] フィールドに「default」を追加します。
   7. [Add Item] をクリックします。
   8. [Share Item] をクリックします。
   9. すべてのユーザーとアイテムを共有します。 グループ フィールドに、上記で作成したグループの ID を入力します。

5. URL アイテムを作成します。

   1. ページの右上隅にあるアカウント名をクリックします。
   2. ページの下部にある [ユーザー コンテンツ] をクリックします。
   3. [ユーザー コンテンツ] で、[アイテムの追加] をクリックします。
   4. [アイテムの追加] ページで、「値で参照する」アイテムに指定したのと同じタイトルを入力します。 タイトルは、値で参照するアイテムと完全に一致させる必要があります。
   5. 次の情報を以下のとおり、正確に指定します。
      • タイプ:「Symbol Set」
      • タイプ キーワード:「by value, marker, Symbol Set」
      • タグ:「Symbol Set」
   6. ポータルのデフォルト シンボル セットにする場合、[タイプ キーワード] フィールドに「default」を追加します。
   7. [Add Item] をクリックします。
   8. [Share Item] をクリックします。
   9. すべてのユーザーとアイテムを共有します。 グループ フィールドに、上記で作成したグループの ID を入力します。

6. カスタム シンボルを作成して公開します。

   1. ArcMap で、シンボル セットに追加するカスタム シンボルを含むマップを作成します。 詳細については、「ArcMap: シンボルとスタイルの概要」をご参照ください。
   2. ポータルにフィーチャ レイヤーとしてマップを公開します。 詳細については、「Portal for ArcGIS: ホスト フィーチャ レイヤーの公開」をご参照ください。

7. カスタム シンボルをホストします。

   シンボルが公開されたら、組織内の Web サーバーにダウンロードしてホストします。 この操作は、フィーチャ レイヤーとの依存関係を削除するために必要であり、シンボルは代わりに Web サーバーからアクセスされるようになります。

   1. シンボルを格納するため、Web サーバー上に仮想ディレクトリを作成します。 このディレクトリへの読み取り/書き込みアクセス権限を確認し、Portal for ArcGIS からアクセスできるようにします。
   2. ディレクトリが HTTPS でアクセスできることを確認します。
   3. 組織の管理者として ArcGIS Server Services Directory にログインします。 URL の形式は次のとおりです。

https://gisserver.arcgis.com:6443/arcgis/rest/services

4. [Hosted] フォルダーをクリックし、フィーチャ レイヤーとして公開されているサービスの名前をクリックします。
5. [レイヤー] の下にある最初のレイヤーをクリックします。
6. [描画情報] で、各シンボルを右クリックし、Web サーバー上に作成された仮想ディレクトリに保存します。
7. 他のレイヤーについても、ステップ e ～ f を繰り返します。

8. シンボル セットにシンボルを挿入します。

   これでシンボルを Web サーバー上にホストできたため、次のステップでは、上記で作成したシンボル セット アイテムにシンボルを追加します。 このプロセスは複雑で、JSON を編集する必要があります。 プロセスを開始する前に、テキスト エディターと次のリソースにアクセスします。

   • JSONLint
   • JSON.minify()
   1. 組織の管理者として ArcGIS Server Services Directory にログインします。 URL の形式は次のとおりです。

https://gisserver.arcgis.com:6443/arcgis/rest/services

2. [Hosted] フォルダーをクリックし、フィーチャ レイヤーとして公開されているサービスの名前をクリックします。
3. [レイヤー] の下にある最初のレイヤーをクリックします。
4. 左上隅にある [JSON] をクリックします。 フィーチャ レイヤー JSON の未加工のビューが表示されます。
5. [uniqueValueInfos] プロパティを検索します。
6. プロパティの後にある最初の開き括弧からプロパティの閉じ括弧まで、すべての JSON 情報をコピーします。 例:

"uniqueValueInfos": [ { Symbol0 ... }, { Symbol1 ... }, ]

7. コンテンツを JSON バリデーターに貼り付けます。
8. 各シンボル定義 JSON から、次のプロパティを削除します。
   • value
   • label
   • description
   • symbol
9. 他のレイヤーについても、ステップ a ～ h を繰り返します。
10. JSON を整合チェックします。 エラーがあれば修正します。 整合チェックされた JSON は次のようになります。

[ { "type": "esriPMS", "url": " d06b3aed-db09-4d17-b485-48596e3c925d", "imageData": "iVBORw0KGgoAAAANSUhEUgAAABwAAAAc...", "contentType": "image/png", "width": 21, "height": 21, "angle": 0, "xoffset": 0, "yoffset": 0 } ]

11. 整合チェックされた JSON をコピーして、テキスト エディターに貼り付けます。
12. JSON の URL プロパティを更新して、Web サーバー上でホストされているシンボルの URL と一致させます。例:

"url": "https://webserver.domain.com/custom/hydrant.png",

13. JSON を整合チェックし、エラーがあれば修正します。
14. JSON を最小化します。 このコンテンツをコピーします。

9. 整合チェックされた JSON をシンボル セットに追加します。

   これでシンボル セット JSON が整合チェックされたため、JSON を各シンボル セット アイテムにアップロードできるようになりました。 シンボル セット アイテムには、「値で参照するアイテム」と「URL で参照するアイテム」の 2 つがあります。 それぞれを整合チェックされた JSON で更新する必要があります。

   1. 組織の管理者として ArcGIS Portal Directory にログインします。 URL の形式は次のとおりです。

https://webadaptor.domain.com/arcgis/sharing/rest

2. ページの右上隅にあるアカウント名をクリックします。
3. ページの下部にある [ユーザー コンテンツ] をクリックします。
4. [アイテム] リストで、シンボル セット アイテムの名前をクリックします。
5. [アイテムの更新] をクリックします。
6. [テキスト] フィールドに、最小化された JSON を貼り付けます。
7. [アイテムの更新] をクリックします。
8. 2 つ目のシンボル セット アイテムでも、これらの手順を繰り返します。 ポータルに作成した追加のカスタム シンボル セットでも、これらの手順を繰り返します。 各シンボル セットには整合チェックされた JSON が必要であり、各シンボル セット アイテムを更新する必要があります。

10. カスタム シンボルを表示します。

    これですべてのシンボル セットが更新されたため、最後のステップで、カスタム シンボル セットが Map Viewer で表示されるようにポータルを構成します。 デフォルトでは、デフォルトの Esri セットが表示されます。 デフォルト セットを削除し、カスタム シンボル グループで管理されるカスタム セットに置き換えます。

    1. 組織の管理者として ArcGIS Portal Directory にログインします。 URL の形式は次のとおりです。

https://webadaptor.domain.com/arcgis/sharing/rest

2. 組織 ID をクリックします。
3. ページの下部にある [Update] をクリックします。
4. [Symbol Sets Group Query] フィールドを見つけて、次のように更新します。

title: "<カスタム シンボル グループの名前>" AND owner: <グループ所有者のユーザー名>

title: "Custom Symbols" AND owner: "admin"

5. [Update Organization] をクリックします。

これで、カスタム シンボルが Map Viewer で使用できるようになりました。 カスタム シンボル セットが表示されていることを確認する際、ブラウザーのキャッシュをクリアする必要がある場合があります。 必要に応じて、作成したフィーチャ レイヤーを削除します。 今後、このレイヤーは不要です。

注意: デフォルトの Esri シンボル セットに戻す必要がある場合は、上記の手順を繰り返し、[Symbol Sets Group Query] フィールドを「title: "Esri Symbols" AND owner: "esri_en"」で更新します。